
こんにちは!
脱サラ系FXトレーダーの”はぶ”です。
バルサラの破産確率とは、トレードの破産確率を示した理論です。
バルサラの破産確率を理解することは、トレードの資金管理の重要性だけではなく、勝つためにどのようなトレード戦略を取らなければならないのかを知ることができます。
そこで「バルサラの破産確率」を分かりやすくご紹介します。
FXで勝ち続けるために必ず役立つ知識です。
是非読んでみてくださいね!
バルサラの破産確率とは

バルサラの破産確率とは、フランスの数学者「ナウザー・バルサラ」が発表したトレードで破産する確率を統計的に表した理論です。
この理論によると、破産確率は次の指標から求めることができます。
- 損益率(ペイオフレシオ)
- 勝率
- リスクにさらす資金比率
まずはこの3つの指標についてご説明します。
損益率(ペイオフレシオ)
損益率とは、トレードの平均損益の比率を算出したものです。(=リスクリワードレシオ)
損益率(%)=平均利益(Pips)÷平均損失(Pips)
勝率
勝率は純粋にトレード回数に対する勝ちトレードの比率です。
勝率(%)=勝ちトレード回数÷総トレード回数
リスクにさらす資金の割合
リスクにさらす資金の割合とは、1トレードあたりの損失を資金に対して何%まで許容するかという比率です。(=許容リスク)
リスクにさらす資金の割合(%)=1トレードの損失額÷投資資金
破産確率

バルサラは著書「Money Management Strategies for Futures Traders」で次のように述べています。
- 予想通り、破産のリスクは勝率と損益率(ペイオフレシオ)の大きさに反比例する
- 破産のリスクは、勝率が高くなるにつれて低下し、低下の大きさはリスクにさらす資金割合に依存する
まずは「バルサラの破産確率」がどのようなものなのか表で見てみましょう。
次の表は「許容リスクを10%」とした場合の破産確率です。
リスクにさらす資金の割合「10%」の破産確率

この表では、破産確率は勝率と損益率に反比例していることが分かります。
また、トレードでは破産確率「1.0%」以下が理想の水準と言われていますが、リスクにさらす資金の割合が「10%」の場合だと、余程の損益率と高勝率でもない限りその水準には到達できないことも分かります。
さらに損益率「1.4」を見てみると、損益率としては優秀な数値ですが、勝率「50%」の時の破産確率が「49.9%」にも上ります。
これはドローダウンも破産確率に含まれているため、期待値として見ればプラスとなるはずのトレードでもリスクが高ければ破産する確率が十分にあることを示しています。
次にリスクにさらす資金の割合を下げて破産確率表を見てましょう。
許容リスク「5%」の破産確率

リスクにさらす資金の割合を「10%」の半数となる「5%」に下げた破産確率です。
総合的に破産確率自体が低下していますが、勝率に比例して低下の割合も大きくなっています。
ある程度の損益率があるトレード手法があれば、50%~60%の勝率でも十分に安全なトレードとなりそうです。
許容リスク「2%」の破産確率

「2%ルール」適用時の破産確率です。
破産確率の低下が顕著に表れています。
損益率「1.4」勝率「50%」を見てみると、破産確率が「3%」程度しかありません。
FXでは資金管理が重要とはよく言われていますが、このように数値で見ると一目瞭然です。
バルサラの破産確率を使ったトレード戦略とは

バルサラの破産確率からは、トレードを安全に行うためにするべきことが分かります。
- 勝率を上げる
- 資金管理を徹底する
- 損益率を上げる
勝率を上げる
まずは勝率を上げることが重要です。
勝率は高ければ高いほど、破産確率の低下する割合が大きいということをバルサラの破産確率は示しています。
これは勝率が高いほど、ドローダウンが緩やかで安定したトレードとなるからです。
また、高勝率なトレードはメンタル的にも負担が少ないため、総じてトレード全体が安定する重要な要素となります。
資金管理を徹底する
次に資金管理の徹底です。
どれだけ勝率が高くても「勝率100%」でない限りは、ドローダウンが続くことで破産する可能性があります。
FXでは優位性のあるトレード手法を繰り返し、トータルの収支をプラスにすることで資金を増やすことができます。
その途中で大きなリスクを取っていては、トータルの収支をプラスにする前に簡単に破産してしまうこともあり得るのです。
資金管理の方法は、許容リスクを運用資金の「2%以内」に抑える「2%ルール」が最も理想です。
損益率を上げる
損益率と勝率はどちらも引き上げることが理想ですが、基本的に両者は反比例の関係にあるため、損益率を上げると勝率は下がり、勝率を上げると損益率は下がります。
例えば、トレンドフォローを主体としたトレード手法では損益率が非常に高いものの勝率が低いという特徴があり、一方でスキャルピングなどでは勝率が高いものの損益率が低いというトレード手法も多く存在します。
そのため勝率と損益率の適正バランスを見極めたうえでトレード手法を構築していくことが重要となります。
損益率と勝率の関係性は、トレードのパフォーマンスを計るプロフィットファクター「PF」の関係性と同じ意味を持ちます。
プロフィットファクターについては下の記事で詳しくご紹介していますので、是非ご覧ください。
プロフィットファクター(PF)は、トレードのパフォーマンスを計る指標です。自分の行っているトレードやトレード手法のプロフィットファクターを計ることで、効率性と改善点を知ることができます。またトレードのバックテストにおいてもプロフィットファクターは重要な指標となり、優秀なトレード手法の構築に効果的です。そこで「プロフィットファクター」について分かりやすくご紹介します。
まとめ
今回ご紹介した「バルサラの破産確率」は、FXで勝つために絶対に押さえておきたい重要な相場のセオリーです。
FXで勝ち続けるために、覚えておきましょう!
最後に簡単にまとめてみましたので、参考にしてみてください。
- バルサラの破産確率は次の要素から破産確率を求める
- 勝率
- 損益率(ペイオフレシオ)
- リスクにさらす資金の割合
- バルサラの破産確率では、次の2点が示される
- 予想通り、破産のリスクは勝率と損益率(ペイオフレシオ)の大きさに反比例する
- 破産のリスクは、勝率が高くなるにつれて低下し、低下の大きさはリスクにさらす資金割合に依存する
次の記事では「プロスペクト理論」について詳しくご紹介していますので、下のリンクから是非ご覧ください。
プロスペクト理論とは、利益を得らえる場面では確実な利益を優先し、損失を被る場面では可能な限り損失を回避しようとする人間の深層心理を示した理論です。この心理はトレードにおいて度々「早すぎる利益確定」や「遅すぎる損切り」として表れ、それはトレード手法が崩れる原因にもなります。FXで勝つためにはこの深層心理に逆らわなければならない時があり、このプロスペクト理論を理解しておくことで危険なトレードを回避することが可能です。そこで「プロスペクト理論」について分かりやすくご紹介します。
それではまたお会いしましょう!
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