
こんにちは!
脱サラ系FXトレーダーの”はぶ”です。
低リスクで高リターンを出すには、ポジションを分散して建てる「分散エントリー」が最も適しています。
分散エントリーは損切りの損失額を押さえるリスク回避と同時に、利益確定時のポジションサイズを最大化することで高リターンを可能とします。
そこで「分散エントリー」について分かりやすくご紹介します。
FXで勝ち続けるために必ず役立つ知識です。
是非読んでみてくださいね!
分散エントリーとは

分散エントリーとは、トレードのポジションを分散して建てるトレード手法のことです。
各エントリーを分散させるため損切りとなった時の損失額が低く、ポジションサイズを最大化させることで高いリターンを可能とします。
分散エントリーには次の方法があります。
- ピラミッティング
- ナンピン
ピラミッティングとはトレンドの順行に伴いポジションを増やすトレード手法で、ナンピンとは値動きの逆行に伴いポジションを増やすトレード手法です。
どちらも一長一短の面がありますが、計画的に行うことで低リスクで高リターンのトレードを行うことが可能となります。
このピラミッティングとナンピンについて、順を追ってご紹介します。
ピラミッティングとは

ピラミッティングとは、買い増し(売り増し)によってポジション量を増やすトレード手法のことです。
トレンドの押し目(戻り目)で買い増し(売り増し)を行ってポジション積み上げ、トレンド終盤で利益確定を行います。
勝率は低いものの一度に得られる利益が大きいトレンドフォローを代表する手法です。
ピラミッティングは、世紀の相場師「ジェシー・リバモア」や伝説のトレーダー集団「タートルズ」が使っていたトレード手法として有名です。
ピラミッティングの方法

基本的にピラミッティングは「トレール注文」とセットで使います。
トレンドが進む度にストップを押し安値(戻り高値)に合わせてトレール(追尾)させる方法です。
こうすることにより、トレンドが継続すればするほど初期のポジションは利益を増し、後半のポジションが多少の損失を出してもトータルでは大きな利益を残せるトレードとなります。
ピラミッティングを重ねて大きなトレンドに乗ることができれば、それだけ大きな利益になることが分かります。
「トレール」には「追尾」という意味があり、トレール注文とは値上がり幅(値下がり幅)に応じて逆指値注文を引き上げる(引き下げる)注文方法です。
ピラミッティングの種類
ピラミッティングはそもそも最初にエントリーしたポジションが、トレンドの流れに乗らなければポジションを増やさないためリスク管理に優れていますが、次のようなデメリットも存在します。
- トレンドの強さに左右されるため勝率が低い
- ポジションの平均価格が上がる(下がる)ため、ポジション取りを間違えると瞬時に利益が損失に変わるリスクがある
そこでピラミッティングを成功させるためには、状況に合わせてピラミッティングの種類を選ぶことも考えなくてはなりません。
ピラミッティングはポジションの取り方によって次の種類のものがあります。
- スケールダウン・ピラミッティング
- イコールポジション・ピラミッティング
- 逆ピラミッティング
- リフレクティング・ピラミッティング
次にこれらの種類について一つずつご紹介します。
1.スケールダウン・ピラミッティング

スケールダウン・ピラミッティングとは、最初のポジションサイズが一番大きく、徐々に小さなポジションを積み上げていく最も基本的なピラミッティングです。
トレンドの後半になるほどポジションの平均価格が上昇しづらいため大きな利益が見込めますが、最初のポジションの精度が悪ければ損失額が大きくなります。
追従型のトレンドフォローに向いているピラミッティングです。
2.イコールポジション・ピラミッティング

イコールポジション・ピラミッティングとは、積み上げるポジションサイズが一定のピラミッティングです。
ポジションの平均価格が中心に寄るため、各ポジションの精度が求められますが、リスクリワードが優れているという利点があります。
うまく使いこなせれば、最も安定したリターンが望めるピラミッティングです。
3.逆ピラミッティング

逆ピラミッティングとは、最初のポジションサイズが一番小さく、徐々に大きなポジションを積み上げていくピラミッティングです。
最初のポジションは打診買いでも良くリスクが低いですが、後半のポジションのリスクが高いためポジションの取り方を間違えれば損失となってしまう可能性も十分にあります。
リバーサルパターンの底(天井)でポジションを建て、トレンド転換したことを確認した後に追従していく逆張り的なトレンドフォローに最も向いています。
リバーサルパターンについては下の記事で詳しくご紹介していますので、是非ご覧ください。
リバーサルパターンとは相場の天井、または底に現れる重要なトレンド転換シグナルとなるチャートパターンです。リバーサルパターンは、トレンドの転換点で必ず現れます。そのためリバーサルパターンを把握しておくことで、トレンドの切り替わりを察知し、新しいトレンドの流れに乗ることが可能となります。そこで「リバーサルパターン」それぞれの特徴とトレード戦略について分かりやすくご紹介します。
4.リフレクティング・ピラミッティング

リフレクティング・ピラミッティングとは、逆ピラミッティングのように小さいポジションサイズから徐々に大きなポジションを積み上げていき、後半は決済を入れながら利益を伸ばすピラミッティングです。
逆ピラミッティングで建てたポジションを分割決済していくイメージと言うと分かりやすいかもしれません。
決済を入れながら利益を伸ばすため、最も堅実なピラミッティングとなります。
これらのピラミッティングの種類の中から自分のトレードスタイルや相場の状況に合わせて選べるようになることが理想です。
次にもう一つの分割エントリーの手法である「ナンピン」についてご紹介します。
ナンピンとは

ナンピンとは、ポジションが逆行した状態で買い増し(売り増し)を行うトレード手法です。
ナンピンの最大のメリットは、ポジションの平均価格を下げながら(上げながら)ポジションサイズを大きくすることができることです。
一方で、ナンピンはポジションが逆行する度にリスクが増えるため、戦略的に行わなければ大きな損失となる危険性があります。
注意点として、単に損失から逃れたいがためのナンピンは厳禁ということを覚えておきましょう。
戦略的なナンピンの使い方

ナンピンを上手に使うには、トレンド方向に入ることと、明確な損切りポイントがあることが絶対の条件です。
買い相場では「安い価格で買って高く売り払う」、売り相場では「高い価格で売って安く買い戻す」ことが相場で利益を上げるための基本的な考え方です。
そのため可能な限り安く買える(高く売れる)のであれば買い増し(売り増し)することは悪いことではありません。
明確なストップさえあれば、仮に損切りになったところでストップに近い価格のポジションほど損失を出しません。
そのためストップに近いポジションほど比重を大きくすることで、低リスクで高リターンを期待できるトレードになると言えます。
絶対にやってはいけないナンピンの仕方
反対に絶対にやってはいけないナンピンというものがあります。
それはトレンド方向に対し逆張りのナンピンと明確な損切りポイントが存在しないナンピンです。
これがどれほど危険なトレードかと言うと
最悪その1回のトレードで相場から退場を強いられる可能性もあります。
確かに相場では再び同じ価格帯に戻ってくる確率も高いですが、何年も戻ってこない相場というものもあるのです。
「下手なナンピン素寒貧」という格言があるように、ナンピンには大きなリスクが存在するため、ナンピンするからには戦略的に行うことが重要です。
繰り返しとなりますが、単に損失から逃れたいがためのナンピンは厳禁ということを覚えておきましょう。
ピラミッティングとナンピンを使ったトレード戦略とは
ここでは、ピラミッティングとナンピンを使った低リスクで高リターンなトレード例をご紹介します。

こちらは「とある通貨ペア2時間足チャート」となります。
サポートラインを上抜けた勢いが非常に強かったことと、サポートラインが非常に強いサポートであることを確認した後にエントリーを行いました。

こちらは15分足チャートです。
まずはこの地点がピラミッティングを開始する最初のポジションを建てるポイントです。
まずはサポートラインに近づけて10万通貨のエントリーを目指します。

こちらはエントリーポイントの1分足チャートです。
ここでは次のように戦略を考えています。
- 出来るだけサポートラインに近づけてポジションサイズを上げながらエントリーを行う
- ポジション量を増やせないほど急激な反転(スパイクなど)だった場合は「逆ピラミッティング」に切り替える
- サポートラインを下抜けた場合は損切りを行う
実際には1万通貨、2万通貨と合計3万通貨のエントリーを行った時点で反発したため、様子を見て最後に押してきた陰線で7万通貨のエントリーを行いました。
この時点では損切り幅が10Pips程度です。

次にリスクを下げるため、ある程度の上昇を見て高い価格のポジションから順に3万通貨の利益確定を行いました。
この時点で利益は3万通貨×25Pipsのため、残った7万通貨が10Pipsの損切りとなってもマイナストレードのリスクを無くすことができています。

続いて1回目のピラミッティングポイントです。
再びサポートラインまで下降してくる可能性を警戒してポジション追加を行わなかったところ順行してしまったため、ブレイクポイントで5万通貨のピラミッティングを行いました。
この時点で全てのポジションのストップを直近安値の下に移動して、最悪でもプラスのトレードになるように調整しています。
このトレードでは運が味方したのか順行してくれたため、リスク回避を兼ねて直近高値に差し掛かった価格帯で一部のポジションを利益確定させました。
最初のポジション7万通貨のうち2万通貨×90Pips、ピラミッティングしたポジション5万通貨のうち2万通貨×40Pipsの利益です。

最後のピラミッティングポイントです。
直近高値をブレイクしたため、ロールリバーサルで3万通貨の追加を行いました。
ここからは目標まで利益を伸ばします。
まずはフィボナッチ・エクスパンション「100%」で最初のポジション5万通貨のうち2万通貨、1度目のピラミッティングポジション3万通貨のうち1万通貨、最後のポジション3万通貨のうち1万通貨を利益確定します。
次にフィボナッチ・エクスパンション「138.2%」で最初のポジションの3万通貨のうち2万通貨、ピラミッティングポジションを1万通貨ずつ利益確定します。
最後にフィボナッチ・エクスパンション「161.8%」で全てのポジションを利益確定させます。
最も伸びたポジションは300Pipsを超える大きな利益となりました。
この大きな利益がトレンドフォローの強みです。
目標値設定には「フィボナッチ・エクスパンション」を使っています。下の記事で詳しくご紹介していますので是非ご覧ください。
フィボナッチ・エクスパンションを使いこなすことは、それだけで利益を最大化させるトレードを行うことが可能です。再現性のあるパフォーマンスに優れたトレード戦略は、全体的な収支の向上に繋がります。そこでフィボナッチ・エクスパンションの使い方を実例と併せて分かりやすくご紹介します。
個人的には極限までリスクを下げることを好むため、このように要所要所で決済を入れながらピラミッティングを行っていますが、自分のトレードスタイルに合わせて分散エントリーの方法を見つけることで、確実に低リスクで高リターンのトレードを行うことが可能となるでしょう。
まとめ
今回ご紹介した「分散エントリー」は、FXで勝つために絶対に押さえておきたい重要な相場のセオリーです。
FXで勝ち続けるために、覚えておきましょう!
最後に簡単にまとめてみましたので、参考にしてみてください。
- 分散エントリーは損切りの損失額を押さえるリスク回避と同時に、利益確定時のポジションサイズを最大化することで高リターンが可能
- 分散エントリーには2種類の方法がある
- ピラミッティング
- ナンピン
- ピラミッティングとはトレンドの順行に伴いポジションを増やすトレード手法
- ナンピンとは値動きの逆行に伴いポジションを増やすトレード手法
次の記事ではトレードのパフォーマンスを計る重要な指標「プロフィットファクター」について詳しくご紹介していますので、下のリンクから是非ご覧ください。
プロフィットファクター(PF)は、トレードのパフォーマンスを計る指標です。自分の行っているトレードやトレード手法のプロフィットファクターを計ることで、効率性と改善点を知ることができます。またトレードのバックテストにおいてもプロフィットファクターは重要な指標となり、優秀なトレード手法の構築に効果的です。そこで「プロフィットファクター」について分かりやすくご紹介します。
それではまたお会いしましょう!