
こんにちは!
脱サラ系FXトレーダーの”はぶ”です。
ボリンジャーバンドは、移動平均線と標準偏差を示すバンドで構成されたインジケーターです。
トレンドの判別にはもちろん、順張りシグナルと逆張りシグナルを併せ持っている非常に万能なテクニカル指標の一つです。
そこで「ボリンジャーバンド」の概要と使い方、売買シグナルまでを分かりやすく、実例と併せてご紹介したいと思います。
FXで勝ち続けるために必ず役立つ知識です。
是非読んでみてくださいね!
ボリンジャーバンド概要
ボリンジャーバンドとは

ボリンジャーバンドとは、米国の投資家「ジョン・ボリンジャー」が開発したテクニカル指標で、統計学における標準偏差と正規分布の理論を相場に応用させたトレンド系のインジケーターです。
移動平均線とその標準偏差を示すバンドによって構成されたボリンジャーバンドは、正規分布による「値動きの大半は標準偏差に収まる」という理論に基づき将来の価格の変動範囲を予測するために使用します。
ボリンジャーバンドの基本線

ボリンジャーバンドは、次の基本線から構成されています。
- ミッドバンド…売買価格水準の平均(移動平均線「SMA」)
- アッパーバンド…+の標準偏差(+1σ~+3σ)
- ロワーバンド…ーの標準偏差(-1σ~-3σ)
ミッドバンドのパラメータ
ミッドバンドには、単純移動平均線「SMA」が使われています。
一般的に中期線が使われるため「20」「21」「25」などが代表的な設定値でとなります。
アッパーバンドとロワーバンド
アローバンドとロワーバンドは移動平均線を基に算出された標準偏差を示し、ローソク足を囲む上下のバンドとして表示されます。
標準偏差とは一定期間の値動きのばらつきの度合いを求めた数値で、単位であるσ(シグマ)で表します。
標準偏差(σ)=√(n×n日間の終値²の合計-n日間の終値の合計²)÷(n×(n-1))
±1σ=n日間の移動平均±n日の標準偏差
±2σ=±1σ×2
±3σ=±1σ×3
標準偏差と正規分布
標準偏差を正規分布の理論に当てはめると、価格の変動範囲は統計的に次のようになります。
- ±1σの範囲に収まる確率は約68.2%
- ±2σの範囲に収まる確率は約95.4%
- ±3σの範囲に収まる確率は約99.7%
正規分布とは

正規分布とは、平均の数値が生じる確率が最も多く、平均から離れるほど生じる確率が少なくなることを表した確率分布のことです。
例えばこれを大学受験の偏差値とすると、±1σは偏差値60と40、±2σは偏差値70と30、±3σは偏差値80と20に当てはまります。
偏差値70~80(20~30)の受験生は全体から見るとわずか数%に過ぎないことと同じように、株価や為替レートも±2σや±3σに達することは非常に珍しいことである言えます。
正規分布のグラフは、平均が高さを、標準偏差が幅の広がり具合を作っています。
正規分布(normal distribution)はその名前にもある通り「normal=正常、ありふれた」確率分布です。
自然現象や社会現象には正規分布に当てはまるものが数多く存在しています。黄金比と同様に、相場も自然の摂理に従って集団心理が働くことはよく起きる現象です。
ボリンジャーバンドの3つの基本パターン

ボリンジャーバンドの動きには基本となる3つのパターンがあります。
- スクイーズ
- エクスパンション
- バンドウォーク
ボリンジャーバンドでは、このバンドの動きに合わせてトレード戦略を立てていくことが重要となります。
1.スクイーズ

スクイーズとは「絞る」という意味があり、ボリンジャーバンドの上下のバンド幅が絞られたように狭まり、値動きの乏しい相場の状態を表しています。
スクイーズの状態にあるボリンジャーバンドは、やがて後述するエクスパンションを発生させます。
2.エクスパンション

エクスパンションとは「拡張」という意味を持ち、上下のバンド幅が開いていき、ボラティリティが高まっている相場の状態を表しています。
エクスパンションはボラティリティが静まると、スクイーズに移行します。
相場ではエクスパンションとスクイーズが交互に繰り返されることによってトレンドの形を作っていきます。
3.バンドウォーク

バンドウォークとは、ボリンジャーバンドの±2σバンドに沿って値動きが推進している状態です。
バンドウォークは非常に強いトレンドが発生していることを表しています。
ボリンジャーバンドの売買シグナル
ボラティリティ・ブレイクアウト

ボラティリティ・ブレイクアウトとは、ボリンジャーバンドを使った順張りの売買シグナルです。
エクスパンションを発生させたあとに、±2σバンドの外側で終値を付けた場合に、強いトレンドの発生とみなしてこれを売買シグナルとします。
- 買いシグナル…+2σバンドの外側で終値を付けた時
- 売りシグナル…-2σバンドの外側で終値を付けた時
強いトレンドでは、そのままバンドウォークへ移行し高値(安値)の更新が続いていくことがあります。
一般的に逆張り指標として知られているボリンジャーバンドですが、開発者のボリンジャー自身は順張り指標として使用することを推奨しています。
ボリンジャーバンドの逆張りシグナル

ボリンジャーバンドでは、値動きの95.4%が±2σの範囲に収まるという性質を、逆張りのシグナルとして応用させることができます。
ボリンジャーバンドの逆張りは次のようにシグナルを判断します。
- 買いシグナル…-2σバンドを越えた時
- 売りシグナル…+2σバンドを越えた時
ボリンジャーバンドを使ったトレード戦略とは

ここでは、ボリンジャーバンドを実際のトレードに使った例をご紹介します。
レンジ相場での逆張りトレード例

こちらは「とある通貨ペア①」5分足チャートです。
四角で囲った場面は、非常に値幅の狭い「スクイーズ」となっています。
こうした相場は閑散期に頻出しますが、値幅が狭いレンジ相場のため逆張りが適しています。
精度を上げるためにボリンジャーバンドとRSIを組み合わせてトレード戦略を立てていきます。

こちらはレンジ内の1分足チャートとなります。
ボリンジャーバンドとRSIのそれぞれが売買シグナルを出したタイミングでエントリーします。
1トレードあたり数pipsを狙ったスキャルピングで、複数の決済を狙います。
決済ポイントは反対側の±1σバンドが理想ですが、ある程度の利益で決済しても良いかと思います。
逆行した場合であっても、閑散期であることを踏まえればレンジ内に戻ってくる可能性が高いので、含み益となるまで保有しても良いかと思います。
こうしたトレードで重要となるのは、閑散期という相場環境下にあるということで、値動きが活性化する時期、時間帯が始まる前には手仕舞いすることが肝要です。
ボラティリティ・ブレイクアウトを使ったトレード例

こちらは「とある通貨ペア②」日足チャートです。
四角で囲った場面は、エクスパンションが発生し-2σバンドの外側で終値を付けています。
ボラティリティの高さも併せると、強いトレンドが発生したという判断ができます。

こちらは1時間足チャートです。
翌週の市場オープン時には窓を開けています。
この窓を埋めたポイントが高値となり、ペナントを作りブレイクしています。
エントリータイミングは①②③がセオリーです。
- ①ペナントと想定したレンジ内のショート
- ②ペナントをブレイクしたタイミングのショート(ブレイクアウト)
- ③サポートラインがレジスタンスラインに切り替わったタイミングのショート(ロールリバーサル)
ブレイク後にバンドウォークが発生していることにも注目です。
バンドウォークを使ったトレード例

こちらは「とある通貨ペア③」15分足チャートです。
バンドウォークが発生しています。
バンドウォーク中は、あまり押し(戻り)を作らないで上昇(下降)していくという特徴があります。
そのため可能な限り安い(高い)価格でエントリーしていくことと、押し目を作ったら躊躇せずエントリーしていくことがポイントです。
①のエントリーはあくまで個人的なルールによるものですが、バンドウォーク発生から間もない時は15分足で陰線(陽線)が1本出たらエントリーします。
次に②は最も手堅いポイントです。

こちらは②の5分足チャートです。
ウェッジ(レンジ)を作っています。
エントリータイミングは①②③がセオリーです。
- ①ウェッジブレイクを想定したレンジ内でのロング
- ②ブレイクしたタイミングのロング(ブレイクアウト)
- ③サポートラインがレジスタンスラインに切り替わったタイミングのロング(ロールリバーサル)
ウェッジの安値がボリンジャーバンドの「-2σバンド」ということもポイントです。
まとめ
今回ご紹介した「ボリンジャーバンド」の使い方は、FXで勝つために絶対に押さえておきたい重要な相場のテクニカル分析法です。
FXで勝ち続けるために、覚えておきましょう!
最後に簡単にまとめてみましたので、参考にしてみてください。
- ボリンジャーバンドは標準偏差と正規分布の理論を相場に応用させたトレンド+オシレーター系のインディケーター。
- 正規分布では相場の価格水準は次のような統計となる。
- ±1σの範囲に収まる確率は約68.2%
- ±2σの範囲に収まる確率は約95.4%
- ±3σの範囲に収まる確率は約99.7%
- ボリンジャーバンドには3つの基本パターンがある。
- スクイーズ
- エクスパンション
- バンドウォーク
- ボリンジャーバンドの売買シグナルには次のものがある。
- ボラティリティ・ブレイクアウト
- ±2σバンドを利用した逆張りシグナル
次の記事も重要なテクニカル指標の一つ「ストキャスティクス」について詳しくご紹介していますので、下のリンクから是非ご覧ください。
ストキャスティクはRSIと同じオシレーター系のインジケーターです。RSIと異なる点として多数の明確な売買シグナルを持っているため使いやすさに利点があります。そのため初心者にも扱いやすく、使い方によってはオシレーター系の中でも最も優れたテクニカル指標としてトレードチャンスを示してくれるかもしれません。そこで「ストキャスティク」の概要と使い方、売買シグナルまでを分かりやすく、実例と併せてご紹介します。
それではまたお会いしましょう!