
こんにちは!
脱サラ系FXトレーダーの”はぶ”です。
ハーモニックパターンは、非常に高勝率として知られているチャートパターンです。
一見複雑な形をしたパターンですが、波形のメカニズムを理解することで、非常にシンプルに覚えることが可能です。
ハーモニックパターンを使いこなすことで、新しい利益のチャンスに繋がるはずです。
そこで「ハーモニックパターン」の特徴と重要なパターン、トレード戦略について分かりやすくご紹介します。
FXで勝ち続けるために必ず役立つ知識です。
是非読んでみてくださいね!
ハーモニックパターンとは

ハーモニックには「調和」という意味があり、複数の波形がハーモニーを奏でているチャートパターンがハーモニックパターンです。
上のチャートでは右肩D地点から大きく下降していますが、このD地点をピンポイントで当てに行くのが、ハーモニックパターンの主な使い方となります。
ハーモニックパターンとフィボナッチ
ハーモニックパターンでは、パターン推測に「フィボナッチ・リトレースメント」が使われています。
基本パターンで使用されるパラメータは、主に次の設定値となります。
- 38.2%
- 50.0%
- 61.8%
- 78.6%
- 88.6%
- 100%
- 127.2%
- 138.2%
- 161.8%
- 261.8%
- 361.8%
これらの設定値は一般的なフィボナッチ・リトレースメントのデフォルト設定に搭載されていない場合があるため、必要に応じてパラメータを追加する必要があります。
Tradingviewのチャートでは、初期設定として「XABCD」を始めとする各種ハーモニックパターンが用意されています。
「フィボナッチ」の概要については下の記事で詳しくご紹介していますので、是非ご覧ください。
フィボナッチ・リトレースメントは、相場の重要なサポート/レジスタンスを表す重要なインジケーターです。黄金比を始めとするフィボナッチ比率が注目されるのは、相場の性質が自然の摂理に深く結びついているからです。そこでフィボナッチの概要から使い方まで、実例と併せて分かりやすくご紹介します。
ハーモニックパターンの3つのメリット
ハーモニックパターンには次の3つのメリットがあり、非常に効率的なトレードを行うことが可能です。
- 勝率が高い
- エントリーまでの時間的猶予がある
- リスクリワード比率が高い
また、一見難しいチャートパターンにも感じられますが、メカニズムを理解することで非常に簡単に使いこなすことができます。
それではこの点を踏まえて、順を追ってご紹介します。
メリット①勝率が高い
ハーモニックパターンは「XAのリトレース」と「基本パターンABCD」による複数のサポート/レジスタンスが重複する地点を求められることが特徴です。
代表的なハーモニックパターン「ガートレー」を例にご説明します。

上のチャートは綺麗な「ガートレー」のパターンですが、これを分解すると次のような波形を作っています。
- XAのリトレースAB→フィボナッチ・リトレースメント61.8%
- XAのリトレースAD→フィボナッチ・リトレースメント78.6%
- ABのリトレースBC→フィボナッチ・リトレースメント38.2%~88.6%
- BCのエクステンションCD→フィボナッチ・エクステンション127.2%~161.8%
ハーモニックの各パターンによって数値に違いがありますが、総じて複数のサポート/レジスタンスがDに集中しています。
ハーモニックパターンの勝率の高さは、このようなエントリー根拠の重なりにあります。
メリット②時間的猶予

ハーモニックパターンには、パターンが形成されるまでの時間が長く、エントリーまでにあらゆる可能性を模索する時間的猶予が存在します。
これはエントリーの精度を高めることに繋がりトレードの質を向上させることが可能となります。
メリット③リスクリワード比率

ハーモニックパターンのメリットのひとつに、損切り幅が狭い割にリターンが大きいというものがあります。
これには次の2つの理由があります。
- 地点Dを絞り込み低リスクな逆張りエントリーが可能
- XAのリトレースADに対するエクスパンションを狙うことが可能
これらはリスクリワード比率の高いトレードの実現を可能とし、ここからハーモニックパターンは優位性の高い手法として知られています。
重要なハーモニックパターン5種類とは

ハーモニックパターンには非常に多くの種類がありますが、その中でも代表的な5種類の基本パターンをご紹介します。
※各パターンはブル相場(強気相場)では逆となります。
ABCDパターン

「ABCDパターン」は、ハーモニックパターンの基本形です。
ABとCDの値幅と、ABとCDの波形形成にかかる時間が同じことが特徴で、非常に綺麗なN波動を描きます。
ABCDパターンには次のルールがあります。
- AB=CD(値幅)
- AB=CD(時間)
ABCDパターンでは、上記の条件を満たす時にD地点でエントリーを行います。
また、AB=CDという関係は、ABのリトレースBCのエクステンションとして次のようになります。
- ABのリトレースBC「38.2%」→BCのエクステンションCD「261.8%」
- ABのリトレースBC「61.8%」→ABのエクステンションCD「161.8%」
- ABのリトレースBC「78.2%」→ABのエクステンションCD「127.8%」
これらの関係性はTradingviewの「ABCD」を使う場合に覚えておくと便利です。
また、フィボナッチ・エクスパンションでAB=CDを計る場合には一律「100%」で表されます。
ガートレー

「ガートレー」は「XABCDパターン」を代表するハーモニックパターンです。
XAのリトレースABが黄金比「61.8%」と定義付けられている点が特徴です。
ガートレーには次のルールがあります。
- XAのリトレースAB→フィボナッチ・リトレースメント「61.8%」
- XAのリトレースAD→フィボナッチ・リトレースメント「78.6%」
- ABのリトレースBC→フィボナッチ・リトレースメント「38.2%」~「88.6%」
- BCのエクステンションCD→フィボナッチ・エクステンション「127.2%」~「161.8%」
ガートレーでは、XAの最初のリトレースABが「61.8%」となった場合に、最終的なXAのリトレースD地点を「78.6%」と想定してエントリーを行います。
バット

「バット」は頻出頻度の高いハーモニックパターンです。
ガートレーと比較すると、XAに対するABのリトレースが浅く、ADのリトレースが深い点が特徴で、その形状がコウモリの羽に似ていることが名前の由来です。
バットには次のルールがあります。
- XAのリトレースAB→フィボナッチ・リトレースメント「38.2%」~「50%」
- XAのリトレースAD→フィボナッチ・リトレースメント「88.6%」
- ABのリトレースBC→フィボナッチ・リトレースメント「38.2%」~「88.6%」
- BCのエクステンションCD→フィボナッチ・エクステンション「161.8%」~「261.8%」
バットでは、XAの最初のリトレースABが「38.2%」もしくは「50%」だった場合に、最終的なXAのリトレースとなるD地点を「88.6%」と想定してエントリーを行います。
バタフライ

「バタフライ」はXAの最終的なリトレースとなるD地点が高値Xを越えることが特徴となります。
高値更新後の下降となることから、ストップロスを巻き込む形となるため非常に強い勢いを伴います。
また、XAのリトレースABが「78.6%」となる唯一のパターンとなるため初期段階でパターンを絞れることも特徴のひとつです。
バタフライには次のルールがあります。
- XAのリトレースAB→フィボナッチ・リトレースメント「78.6%」
- XAのリトレースAD→フィボナッチ・エクステンション「127.2%」~「161.8%」
- ABのリトレースBC→フィボナッチ・リトレースメント「38.2%」~「88.6%」
- BCのエクステンションCD→フィボナッチ・エクステンション「161.8%」~「261.8%」
バタフライでは、XAの最初のリトレースABが「78.6%」だった場合に、最終的なXAのリトレースとなるD地点をXAのリトレースAD「127.2%」~「161.8%」とBCのエクステンションCD「161.8%」~「261.8%」から推測してエントリーを行います。
クラブ

「クラブ」もバタフライと同様に、DがXを越えた後に下降を始めるため、勢いのあるパターンです。
XAの最初のリトレースが「38.2%」~「61.8%」となるため、パターン推測の初期段階では「ガートレー」または「バット」の可能性を考えながら候補に入れることになります。
XAの最終的なリトレースADは「161.8%」と定義付けられているため「ガートレー」または「バット」の可能性を否定した後に絞り込むことが可能です。
クラブには次のルールがあります。
- XAのリトレースAB→フィボナッチ・リトレースメント「38.2%」~「61.8%」
- XAのリトレースAD→フィボナッチ・エクステンション「161.8%」
- ABのリトレースBC→フィボナッチ・リトレースメント「38.2%」~「88.6%」
- BCのエクステンションCD→フィボナッチ・エクステンション「261.8%」~「361.8%」
クラブでは「ガートレー」「バット」の可能性を否定した後に、最終的なXAのリトレースとなるD地点を「161.8%」と想定したエントリーを行います。
ハーモニック基本パターンを使ったトレード戦略とは
ハーモニックパターンをトレードに応用させるには、次の順に消去法でパターン絞り込む必要があります。
- XAのリトレースABの確認
- AB=「38.2%」~「50%」→「バット」or「クラブ」
- AB=「61.8%」→「ガートレー」or「クラブ」
- AB=「78.6%」→「バタフライ」
- ABのリトレースBCの確認(条件を満たしているか確認)
- BCのエクステンションから地点Dを絞り込み
- 「バタフライ」のみ(「バット」「クラブ」「ガートレー」の場合は固定の数値となるため不要)
- XAのリトレースから地点Dを絞り込み
- 「ガートレー」→XAのリトレース「78.6%」
- 「バット」→XAのリトレース→「88.6%」
- 「バタフライ」→XAのリトレース「127.2%」~「161.8%」
- 「クラブ」→XAのリトレース「161.8%」
- 地点Dからエントリー
次にフィボナッチ・リトレースメントを使ったハーモニックパターンの推測例を挙げてみます。
ハーモニックパターンの絞り込み例①「ガートレー」

こちらのチャートはXAリトレースABが「61.8%」となっているため、この時点では「ガートレー」」または「クラブ」の可能性を考えることができます。
そのため、まずは「ガートレー」のXAリトレース「78.6%」をD地点と想定していきます。

次にABのリトレースBCを確認します。
リトレースBCは「ガートレー」「クラブ」のどちらのパターンでも「38.2%」~「88.6%」に収まる必要があります。
このチャートでは「38.2%」となっているため、条件の範囲内であることが分かります。
BCのエクステンションは、XAのリトレースとBCにより固定されるため特に意識しなくても良いポイントとなります。

XAリトレース「78.6%」に合わせてエントリーを行います。
想定したD地点で反転した場合には「ガートレー」を描きます。
更に推進する場合には「クラブ」に目線を切り変えて、XAリトレース「161.8%」で再度エントリーを行います。
そのため「88.6」%付近でガートレーの消滅と認識し、ストップを置いておくことが理想です。
「ガートレー」の目標設定

目標設定には「フィボナッチ・エクスパンション」を使う方法が効果的です。
ガートレーの場合には次の価格水準がサポート/レジスタンスになることが想定できます。
- 100%(N計算値)
- 138.2%(フィボナッチ・エクスパンションのレジスタンス)
- 161.8%(V計算値)
- 178.6%(E計算値)
上記のいずれかの水準で段階的に利益確定を行っていくことで効率的に利益の最大化を狙ったトレードとすることが可能です。
フィボナッチ・エクスパンションについては下の記事で詳しくご紹介していますので、是非ご覧ください。
フィボナッチ・エクスパンションを使いこなすことは、それだけで利益を最大化させるトレードを行うことが可能です。再現性のあるパフォーマンスに優れたトレード戦略は、全体的な収支の向上に繋がります。そこでフィボナッチ・エクスパンションの使い方を実例と併せて分かりやすくご紹介します。
ハーモニックパターンの絞り込み例②「バット」

こちらのチャートは、XAのリトレースABが「50%」となっているため、この時点では「バット」または「クラブ」の可能性を考えることができます。
そのため、まずは「バット」のXAリトレース88.6%をD地点と想定していきます。

次にABのリトレースBCを確認します。
リトレースBCは「バット」「クラブ」のどちらのパターンでも「38.2%」~「88.6%」に収まる必要があります。
このチャートでは「50%」となっているため、条件の範囲内であることが分かります。
BCのエクステンションは、XAのリトレースとBCにより固定されるため特に意識しなくても良いポイントとなります。

XAリトレース「88.6%」に合わせてエントリーを行います。
想定したD地点で反転した場合には「バット」を描きます。
更に推進する場合には「クラブ」に目線を切り変えて、XAリトレース「161.8%」で再度エントリーを行います。
そのためダブルトップ以上に推進した場合には、バットの消滅と認識し、直近高値の上にストップを置いておくことが理想です。
「バット」の目標設定

バットパターンでも目標設定には「フィボナッチ・エクスパンション」を使う方法が効果的です。
バットの場合には次の価格水準がサポート/レジスタンスになることが想定できます。
- 100%(N計算値)
- 138.2%(フィボナッチ・エクスパンションのレジスタンス)
- 161.8%(V計算値)
- 188.6%(E計算値)
上記のいずれかの水準で段階的に利益確定を行っていくことで効率的に利益の最大化を狙ったトレードとすることが可能です。
ハーモニックパターンの絞り込み例③「バタフライ」

こちらのチャートはXAのリトレースABが「78.6%」となっているため、この時点で「バタフライ」と確定させることができます。
バタフライの場合は、ここからが問題となります。
D地点が「127.2%」~「161.8%」と流動的であるため、BCのエクステンションと比較して精度を高める必要があります。

まずはハーモニックパターンの推測手順となるABのリトレースBCを確認します。
リトレースBCは「バタフライ」についても「38.2%」~「88.6%」に収まる必要があります。
このチャートでは「38.2%」となっているため、条件の範囲内であることが分かります。

続いてBCのエクステンションを計ります。
バタフライでは、D地点が流動的となるため、BCのエクステンションからの絞り込みは非常に重要な作業となります。
D地点を推測する前にもう一度バタフライの条件を確認しておきましょう。
- バタフライの最終的なXAリトレースADは「127.2%」~「161.8%」
- BCのエクステンションは「161.8%」~「261.8%」
つまりこれらの条件が重複する価格帯をD地点と推測することができます。
上のチャートでは、BCのエクステンション「261.8%」がXAリトレース「127.2%」と「138.2%」の間に位置しているため、このポイントをD地点と推測することが可能です。

想定したD地点で反転した場合には「バタフライ」を描きます。
更に推進する場合には「バタフライ」の条件を逸脱するためハーモニックパターンを使ったトレードは見送ることになります。
そのためストップは「138.2%」の上に置いておくことが理想です。
「バタフライ」「クラブ」の目標設定

バタフライは出没頻度こそ高くはありませんが、出現した場合には大きな値動きとなる傾向があります。
値幅論の「V計算値」が最も推進する稀なパターンです。
「バタフライ」の場合には次の価格水準がサポート/レジスタンスになることが想定できます。
- フィボナッチ・エクスパンション100%(N計算値)
- フィボナッチ・エクスパンション138.2%(フィボナッチ・エクスパンションのレジスタンス)
- フィボナッチ・エクスパンション161.8%(フィボナッチ・エクスパンションのレジスタンス)
- XAフィボナッチ・エクステンション200%(V計算値)
- ADフィボナッチ・エクステンション200%(E計算値)
上記のいずれかの水準で段階的に利益確定を行っていくことで効率的に利益の最大化を狙ったトレードとすることが可能です。
この目標設定方法は「クラブ」でも同様に使えます。
値幅論については下の記事で詳しくご紹介していますので、是非ご覧ください。
相場の波動がどのように作られ、どこまで推進する可能性があるのかを知ることは、エントリーとエグジットの明確な根拠となります。そこで、今回は一目均衡表の理論の一つ「波動論・値幅論」から、相場の波動6種類と推進値幅の計算値を分かりやすくご紹介します。
まとめ
今回ご紹介した「ハーモニックパターン」は、FXで勝つために絶対に押さえておきたい重要な相場のチャートパターンです。
FXで勝ち続けるために、覚えておきましょう!
最後に簡単にまとめてみましたので、参考にしてみてください。
- ハーモニックパターンは複数の波形が調和してひとつのチャートパターンを描いたチャートパターン。
- ハーモニックパターンのメリットは3点
- 勝率が高い
- エントリーまでの時間的猶予がある
- リスクリワード比率が高い
- ハーモニックパターンの代表的な基本パターンは5種類
- ABCDパターン
- ガートレー
- バット
- バタフライ
- クラブ
次の記事では重要なテクニカル指標「移動平均線」について詳しくご紹介していますので、下のリンクから是非ご覧ください。
移動平均線は最も基礎的でありながら、最も重要なインジケーターです。FXでは広く使われている移動平均線は、その概念を正しく理解することで飛躍的にトレードに役立つテクニカル指標となることは間違いありません。そこで「移動平均線」の概要と使い方、売買シグナルまでを分かりやすく、実例と併せてご紹介します。
それではまたお会いしましょう!
“FXで高勝率を出せるチャートパターン「ハーモニックパターン」5種類とトレード戦略とは” への2件のフィードバック