
こんにちは!
脱サラ系FXトレーダーの”はぶ”です。
相場の波動がどのように作られ、どこまで推進する可能性があるのかを知ることは、エントリーとエグジットの明確な根拠となります。
そこで、今回は一目均衡表の理論の一つ「波動論・値幅論」から、相場の波動6種類と推進値幅の計算値を分かりやすくご紹介します。
FXで勝ち続けるために必ず役立つ知識です。
是非読んでみてくださいね!
一目均衡表の波動論・値幅論とは
一目均衡表とは

一目均衡表とは、日本の株式評論家である「一目山人(細田吾一)」氏が考案したテクニカル分析法の総称です。
一目均衡表は、先行スパンを使ったインジケーターとしての使い方が有名ですが、本来は次の理論から成り立っています。
- 時間論
- 波動論
- 値幅論
- スパン
今回は、その中でも出口戦略として重要な要素を持つ「波動論」「値幅論」に絞って詳しくご紹介します。
一目均衡表の見方や売買シグナルについては下の記事で詳しくご紹介していますので、是非ご覧ください。
一目均衡表は、相場の均衡状態を表すインジケーターです。難しそうなテクニカル指標にも思えますが、見方さえ覚えてしまえば、一目で相場の均衡状態を把握できる非常に視覚的で画期的なインジケーターです。そこで「一目均衡表」の概要、使い方、売買シグナルまでを分かりやすく、実例と併せてご紹介します。
波動論と値幅論
一目均衡表のなかでも波動論と値幅論は、相場の基本的な値動きを把握するためには欠かせない重要な理論です。
- 波動論…値動きの波動を示すもの
- 値幅論…波動が推進する値幅を計算するもの
この2つの理論を押さえておくことで、出口戦略に必要なエントリーとエグジットの目標設定が可能となります。
波動論による6種類の波動とは
波動論では、相場は次の6種類の波動で成り立つとされています。
- I波動
- V波動
- N波動
- P波動
- Y波動
- S波動
※それぞれの波動は、ダウントレンドでは逆となります。
I波動

上昇のみの波動です。
最も基本的な波動となり、全ての波動はI波動から始まります。
V波動

I波動が連続した波動です。ここから更にI波動が続くことで、N波動に派生します。
N波動

V波動にI波動が加わった波動で、波動論による波動の基本形となります。
5波を1波とするエリオット波動理論に対し、波動論ではこの3波を1波とし、トレンドはN波動が連続したものとされています。
P波動・Y波動へ派生します。
P波動

高値が切り下がり、安値が切り上がる波動です。
いわゆる「ペナント」です。N波動から派生し、やがてブレイクします。
Y波動

高値が切り上がり、安値が切り下がる波動です。
いわゆる「ブロードニング」です。Y波動からP波動に派生することで「ダイヤモンド・フォーメーション」を作ります。
関連リンク
相場はレンジが大半を占めています。そのためレンジ相場を理解することは、相場をより深く理解することに繋がります。またレンジトレードは非常に効率的という側面があるため、レンジを知ることで意外な利益のチャンスに気付けるかもしれません。そこで「レンジ相場」の特徴と重要なパターン、トレード戦略について分かりやすくご紹介します。
S波動

レジスタンスで一度反発し、ブレイクする時に起きる波動です。
レジスタンスがサポートに切り替わることで「ロールリバーサル」になります。
波動論ではこの6種類の波動が基本となり、これらの波動がどこまで推進するのかを値幅論で求めることができます。
値幅論とは

値幅論とは、波動の推進値幅を算出するための理論です。
「値幅観測論」「水準論」とも言われ、主に目標設定に使われます。
値幅論で使われている代表的な計算値は次の4種類があります。
- N計算値【C+(B-A)】
- E計算値【B+(B-A)】
- V計算値【B+(B-C)】
- NT計算値【C+(C-A)】
続いて各計算値の求め方をご紹介します。
N計算値【C+(B-A)】

N計算値は、推進波ABと推進波CDが同じ値幅となる計算値です。(AB=CD)
最も基本的なN波動の計算値となり、一般的な目標として設定する計算値です。
N計算値の計り方

N計算値は「フィボナッチ・エクスパンション」でA→B→Cの3点を指定した場合の「100%」で表わされます。
E計算値【B+(B-A)】

E計算値は、推進波ABと同じ値幅をBから乗せた計算値です。(AB=BD)
最も大きく推進する値幅となり、最終的な目標設定に使うことの多い計算値です。
E計算値の計り方

E計算値は「フィボナッチ・エクステンション」でB→Aの二点を指定した場合の「200%」で表されます。
V計算値【B+(B-C)】

V計算値は、調整波BCと同じ値幅をBから乗せた計算値です。(BC=BD)
V計算値はリトレースが深いほど推進距離があります。
そのためリトレースが深い相場では、目標値のひとつとして設定することで、利益率を引き上げることが可能です。
V計算値の計り方

V計算値は「フィボナッチ・エクステンション」でB→Cの二点を指定した場合の「200%」で表されます。
NT計算値【C+(C-A)】

NT計算値は、ABから調整を減算した値幅をBから乗せた計算値です。(AC=CD)
あまりメジャーな計算値ではありませんが、リトレースが38.2%だった場合にはフィボナッチ・エクスパンションの黄金比61.8%と重複するため、注目される可能性の高い計算値となります。

NT計算値は「フィボナッチ・エクステンション」でC→Aの二点を指定した場合の「200%」で表されます。
値幅論と目標の設定

一般的に目標値設定に使われる「フィボナッチ・エクスパンション」に合わせて、各計算値の位置を表に表してみました。
- 表の左側はフィボナッチ・リトレースメントによるリトレース比率
- 表の右側はフィボナッチ・エクスパンションを使った場合の各計算値の位置
をそれぞれ表しています。
リトレース | N計算値 | E計算値 | V計算値 |
---|---|---|---|
23.6% | 100% | 127.2%とほぼ重複 | 61.8%とほぼ重複(NT計算値78.6%%) |
38.2% | 100% | 138.2% | 78.6%(NT計算値61.8%) |
50% | 100% | 150% | 100%(=N計算値) |
61.8% | 100% | 161.8% | 127.2%とほぼ重複 |
78.6% | 100% | 178.6% | 161.8%とほぼ重複 |
「フィボナッチ比率」と「値幅論」はどちらも市場で注目されることが考えられるため、重複している価格帯では強いサポート/レジスタンスになることが予想できます。
そのため目標値設定には「フィボナッチ・エクスパンション」と「値幅論」を組み合わせることで次のメリットが生まれます。
- 早すぎる利益確定の回避
- 無理のある利益確定延長の回避
ここから「現実的な利益の最大化」を狙うことが可能となります。
次の表は「フィボナッチ・エクスパンション」で表されるサポート/レジスタンスと値幅論の計算値を合わせて実用的に3段階で目標を算出したものです。
リトレース | 目標① | 目標② | 目標③ |
---|---|---|---|
23.6% | 61.8%(78.6%) | 100% | 127.2%(138.2%) |
38.2% | 78.6%(61.8%) | 100% | 138.2% |
50% | 100% | 138.2% | 150% |
61.8% | 100% | 127.2%(138.2%) | 161.8% |
78.6% | 100% | 138.2% | 178.6% (161.8%) |
この表を利用して2回もしくは3回に分けて利益確定を行うことで、効率的に利益を最大化させたトレード戦略を立てられることが考えられます。
まとめ
今回ご紹介した「波動論・値幅論」は、FXで勝つために絶対に押さえておくべき重要な相場の理論です。
FXで勝ち続けるために、覚えておきましょう!
最後に簡単にまとめてみましたので、参考にしてみてください。
-
波動は次の6種類
-
I波動
-
V波動
-
N波動
-
P波動
-
Y波動
-
S波動
-
- 値幅計算値で代表的なものは次の4種類
- N計算値【C+(B-A)】
- E計算値【B+(B-A)】
- V計算値【B+(B-C)】
- NT計算値【C+(C-A)】
次の記事では高勝率パターンとして知られている「ハーモニックパターン」について詳しくご紹介していますので、下のリンクから是非ご覧ください。
ハーモニックパターンは、非常に高勝率として知られているチャートパターンです。一見複雑な形をしたパターンですが、波形のメカニズムを理解することで、非常にシンプルに覚えることが可能です。ハーモニックパターンを使いこなすことで、新しい利益のチャンスに繋がるはずです。そこで「ハーモニックパターン」の特徴と重要なパターン、トレード戦略について分かりやすくご紹介します。
それではまたお会いしましょう!
“一目均衡表の波動論に学ぶFXの波動6種類と値幅論を使ったトレード戦略とは” への3件のフィードバック